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こんにちは。ヨッチです。


昨今、心身の不調を訴える若手社員が増えています。せっかく、自分の部署に所属されたにもかかわらず、業務を継続出来なくなることは非常に残念な事です。


様々な理由がありますが、世代交代が進む中、若手にも業務に対して高いスキルが求められ、個人の負荷が高くなっていることが余裕のない状態を生み、メンタルの問題に繋がっているものだと思います。


周囲のかかわり方で少しでも調子を崩すことを防ぐことができれば、管理職、担当者の双方にとって有益なことです。 特に業務負荷が高くなればなるほど、心身の健康維持がより重要になります。


今回、事例も踏まえ、部下への指導、かかわり方について産業医の先生に教えてもらった方法をお伝えします。






事例1(入社3年目のAくん)

入社3年目の男性Aくんは経験値が乏しく、相談できる人がいない。対人関係が得意ではないので同僚に助けを求めるのが苦手。職場では、経験が少ないAくんに少しずつ仕事を増やすなどの配慮してきた。


一方でAくんの休暇が増えていることも把握していたため、面談をして、Aくんに「わからないことは〇〇に聞くように」と指示していた。ただ面談では「月末までにやるように言ったじゃないか」「なんでできないんだ」などと問い詰めることもあり、Aくんは次第に心身が不調となった。


事例2(社交的なBさん)

社交的な性格の男性Bさんは、仕事も効率よく進められる。また家庭では新しい家族が増え、環境の変化があった。職場では進捗状況の確認や助言など声掛けの頻度を増やすなどの気遣いをしていた。


一方でBさんは飲酒量、喫煙量が増える。 始業時間ぎりぎりの出社をしたり、精神面ではいらいらが見られるようになった。本人が不調であることを上司は気が付いているが、本人が「大丈夫です」と言っている。そして気持ちで何とか出勤しようとしても身体面では頭痛を発症するなど、不調となった。


不調をきたす背景

  • そもそも業務量が多い。残業時間も長く、みんな余裕がない。
  • 若手、異動後など業務への経験値が蓄積されていないところで負荷がかかる。
  • 短期間で知識・技術を習得しなければならない。本人にとっては、がんばってるのにもっとしないといけない。
  • サポートが乏しい。相談できる人が少ない。同世代のスタッフが周囲に少ない。辛いことがシェアできない。

早期発見をするためには

次の3つがポイントです。

本人の変化

上司が気が付いて本人に聞くと「大丈夫です」というため、行動面で評価することが大事。行動には本人の本音が出る。

表情の柔らかさ・笑顔の有無、業務ミス、、効率が悪くなっている、遅刻が増えていないか。会議中居眠りが増える 。睡眠はとれているか。休日楽しめているか。元気なさそう見えたり、毎日の挨拶が変わる。雑談が減る。

また上司としては、無理ですと言わせない圧迫感は出してないか注意が必要。


状況の変化

業務量が増大したり、プレッシャーのかかる仕事を担当してないか。異動、結婚、介護、子供の誕生による環境の変化はないか。


人の性格による

几帳面で仕事を抱えがち。責任感が強い。受け止め方が極端。コミュニケーションが苦手。マルチタスクが苦手。


部下を不調にさせないかかわり方

指導にあたって

  • 指導の理由や目的を具体的に伝えること。面倒に思うかもしれませんが、言葉にしなければ相手には伝わらない。 

  • 相手が理解してくれたか相互に確認する。指導は相手が理解することで初めて意味を成すもの。一通り指導を終えたあと復唱やテストを行い、理解できているかどうかの確認をする。それも一度だけでなく、定期的に確認をする。

  • 相手を管理しようとするのではなく、あくまで確認というスタンスをとることが 大切。

  • 「指導した」と勝手に満足をせず、「相手を尊重すること」。
 
指導とは、会社や管理者に求められている行動が取れない相手を正しく導く行為です。


そのためには、まず自分の言うことを相手に受け入れてもらえるように、相手と一緒に改善点を見つけていく姿勢が重要。


相手を尊重する気持ちを持てば、乱暴な言葉や行為など、指導の際に使ってはいけないNGワードも自然とわかるはず。


気を付けた方が良い言葉

  • 「なぜ」「どうして」
「なぜこれをしなかったのか」「どうしてこうなったのか」などと言われると、部下や後輩は問い詰められている感覚になってしまい、ストレスがかかってしまいます。


「これをしたのは、どういう理由?」「次にこうならないためには、どうすればいいのかな」など、否定ではなく、次回に向けた改善方法を尋ねるように話すことを心がけま しょう。また「責めるつもりではない」とあらかじめ断っておくのもよいでしょう。

  • 「○○さんも言ってたぞ」「前から思っていた」

本来、指導に周囲の評価は関係なく、ただ事実を伝えて改善を促したり、次回へ向けた対応 を導くだけでいいはずです。本来の改善点から論点を逸らさずに指導を行いましょう。


特に、右も左もわからない新人は、自分が周囲にどのように見られているのか気にしていることがほとんどです。ほかの人からの評価や上司・先輩からの評価でマイナスなことを言われると、職場で孤立しているように感じてしまいがちです。


間違いなどを指摘する場合に、人格などに触れるのは控える。

  • 「前にも同じことを言ったよね」

前にも指導したことと同じミスをされたり、同じことを聞かれると、つい言ってしまいがちかもしれません。しかし「説明が足りなかったのかもしれない」「念のため確認しておきたい のかもしれない」と思い、できる限り使わないようにしましょう。


とはいえ部下があまりに何度も同じミスをしている場合は、このフレーズを使いたくなること もあると考えられます。その場合は、そもそもの仕事のさせ方、作業の内容が過大ではないか、より細かい段階を踏むことはできないか等、自分の指導プランを見直すようにしてみましょう。

  • 「もういいよ。後は私がやるから」

これまで携わってきた仕事を取り上げられた部下・後輩は「自分が評価されていない」「今ま でやってきたことは何だったんだ」というネガティブな心理状態に陥ってしまうことが考えられ ます。


今までの仕事を否定するような言い回しは使わず、たとえば「〇時までに終わらなかったら、 私が引き継ぐね」「終わった後、チェックして直すこともあるからね」など、修正が入ることをあらかじめ伝えておきましょう。


「なぜ仕事を引き継ぐ必要があるのか」という理由もあらかじめきちんと説明することや、途中で引き上げた場合でも「どこまではできているのか」をしっかり判断、評価することも大切です。


そのうえで、次回間に合わせるためのアドバイスや、修正したポイントを解説すれば、部下・ 後輩の成長にもつながります。


叱る時のポイント=かりてきたねこ

「叱る」ことは、部下を育てる上でときに大切です。しかし、「ほめる」と 「叱る」をバランスよくおこなわないと、部下のやる気を下げてしまう恐れ があります。そして「叱る」のは、部下との信頼関係が築けてから。


【か】 感情的にならない
【り】 理由を話す
【て】 手短に(くどくど言わない) 
【き】 キャラクターに触れない(人格を否定しない) 
【た】  他人と比較しない
【ね】  根に持たない 
【こ】  個別に叱る(人前で叱らない)

出典:「折れやすい部下の叱り方」(日本経済新聞出版社 渡部卓・著)


部下と接するポイント(まとめ)

  • 相手に寄り添うかかわり方をする。 相手を承認する(できて当たり前と思うとできていないところばかり指摘してしまう)。

  • 本人の頑張りを認める。 自分を基準にし過ぎない。「彼だったらどう思うのだろうか」と同じ対応や言動でも受け手によって受け止め方は 全然違う。叱り方や指導の仕方も相手、状況に応じて行う。

  • 肯定的メッセージは言葉に出していく。出さないと伝わらない。否定的なメッセージはすぐに伝わる。今の時期はできなくてもしょうがないということも、言わなければなかなか伝わらない。


以上、ご覧いただき、ありがとうこざいます。
ヨッチでした。