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こんにちは。ヨッチです。


会社組織においてベテラン社員が定年を迎え、再雇用へ移行し、世代交代が急速に進む中、貴方の会社では、新入社員の確保、若手担当者へ技術伝承、人材育成は計画通り、進んでいますか?


技術伝承の問題についてお話ししたいと思います。





組織の年齢構成

もちろん会社によって事情は異なりますが、ある会社の年齢構成は、30〜40代の世代が少なく、50代が多くなっています。今後、リタイアが増加し、将来的な人手不足を懸念し、新入社員の採用を増やしています。


また中途採用も、いい人材がいれば、積極的に獲得したいと考えています。


今後、50代のベテラン社員の多くが60歳の定年を迎えて、再雇用として会社に残る人も多いと思います。これは、会社での経験、知識を生かそうと考える人が多いことと、退社して再就職が難しい状況であり、仮に就職出来たとしても、再雇用で残るよりも給料が下がる場合も多いことが理由となっています。

 

技術伝承の問題

会社としては、50代のベテラン社員が定年後に再雇用で残るとしても、5年以内には退社することになるため、これらのベテラン社員が残っているうちに、残された社員へ技術伝承を行なってもらいたいと考えています。


ところが多くの再雇用者は、技術伝承されるはずの30〜40代の社員が少ないなど、後継者がいない、慢性的な人材不足から、技術伝承をするどころではなく、定年前と同じ業務を行っているケースも多くなっています。


再雇用者は給料が下がっていても、表面的には定年前と変わらず、自分の業務をこなしているかもしれませんが、中には、モチベーションが下がっている人たちも少なくないと考えられます。(定年延長があればいいのですが)


こういう状況では、技術伝承をしたくても、時間がとれませんよね。技術伝承にとって人材不足は深刻な問題となっています。


では、なぜ再雇用者が定年前と同じ業務をしなければならないのでしょうか?


1つの理由は、人が足りないからです。つまり業務を引き継ぐ人がいないためです。もう1つは、その人しか出来ない業務であるからです。後継者がいても定年前までに技術伝承が出来ていないせいです。


人材不足への対応

そこで、足りない人材をどう補うのか?どう解決していくのか?とても悩ましい問題です。簡単に解決する問題ではないので長期的な戦略を立てて実行していくことが大事です。ボディブローのように、徐々に効果が現れてきます。


  • 組織人員の補充計画(新入社員、人事異動、中途採用)を立てて採用していく。当たり前ですが、ゴールをイメージしながら、あるべき姿へあきらめず、採用や配置換えによって少しずつでも変えていくことが後で効いてきます。

  • 業務のスリム化を図る。無駄な業務は排除する。効率的なシステム導入を図り、省力化につなげる。人がいなければ、業務の仕組みやシステムを見直すチャンスです。本当に必要な仕事は何なのか?他社情報なども積極的に収集し、検討材料を整理しましょう。そして真剣な議論から業務改革はスタートします。

  • アウトソーシングの活用。本業は自分たちがやらなければなりませんが、そうでない仕事は外注化する事で本業に集中する時間を作ります。ただし、最近では人材不足から、本業までもアウトソーシングしなければならないケースもあり、深刻な事態となっています。



 

技術伝承の方法

ではベテラン社員の技術をどのように伝承すれば良いでしょうか。  一般的には、次の3つ。

  • ベテラン社員と一緒に若手担当者が業務を行う。いわゆるOJT。若手担当者が主体となって業務を行いながら、ベテラン社員がサポートをする。もっともいい形の技術伝承です。マニアルでは伝えきれないノウハウまで伝えることが出来るでしょう。

  • ベテラン社員が講義形式で複数の若手担当者に教える。頭で覚えるやり方です。もう一つの方法は、若手担当者(順番に)に勉強してもらいみんなの前で講義をしてもらうことです。ベテラン社員は、その講義を聴いて補足説明をする方法です。

  • ベテラン社員が自分にしか出来ない技術を書面に残すことです。マニアル化(標準化)です。ただし、文字では伝えられないノウハウを伝えるのは難しいですね。文字で残すのが難しいならば、映像に残すというやり方もあるかもしれまそん。


いずれも本腰を入れてやっていかないと対応出来るものではありません。OJT以外の方法には、ベテラン社員と若手担当者の双方が計画的に一定の時間を作っていかないと上手くいきません。時間作りは、将来の基盤強化を考えた時に何を優先するかです。それは担当者の判断ではなく、その部署、その会社の判断です。それでも時間が作れないならば、大した技術、ノウハウではないということです。



技術伝承の進め方

大事なことは、会社や部署として技術伝承に取り組むことであり、決して担当同士のやり取りだけにしないことである。そして残された社員が技術伝承が行われていることを実感出来るようにすることである。

そのためには、以下の点を最初に整理する必要があります。

  • 技術伝承を行わなければならない技術、ノウハウを明確にする。

  • いつまでに技術伝承を行わなければならないのかスケジュールを明確にして、実行計画を立てる。

  • 誰に技術伝承するのかを明確にする。

  • 技術伝承の方法を明確にする。内容によって異なります。方法は、先に説明した通りです。

いずれも当たり前の内容ですが、これらは意外に明確になっていません。なので最初にどのようにやるのか十分に話をしてから進めていくことをお勧めします。


技術伝承は長年の課題ですが、10年したら、今の50代は全て再雇用者あるいはリタイアしてます。じっくりやっていこうと思っていては恐らく何も出来ない状態になるかもしれません。早めの準備を行い、次の世代に残すべき技術、ノウハウをしっかり伝えていきましょう。


以上、ご覧いただき、ありがとうこざいます。
ヨッチでした。