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こんにちは。ヨッチです。

7月31日、栃木県の認定こども園(園児数約200人)で、保育教諭らが2歳の園児たちに不適切な言葉で指導していたことが報道されました。
この事件を理解するために、「認定こども園」など、いくつかのキーワードを確認しましたので、皆さんと共有したいと思います。


 

不適切な指導

6月頃から複数の保育教諭らが、2歳児組(23人)の園児たちに対し、「死んでしまいなさい」としかるようになった。また、食事やトイレの指導の際にも「廊下に出ろ」「邪魔」「うるさい」などと不適切な言葉を使っていたほか、何人かの園児を明かりのついていない教材室に数分間入れたこともあったとのことです。

不適切な指導に関わった、いずれも30歳代の保育教諭2人は退職し、保育補助1人は自宅待機しているという。

同園は、1965年に幼稚園として開園し、2016年に幼保連携型認定こども園になったそうです。

引用元:


認定こども園とは

認定こども園は、就学前の子どもに対して教育・保育を一体的に行うとともに、保護者の就労状況等に関わらず利用でき、就労状況等が変わった場合でも、通い慣れた園を継続して利用できること、また、地域において必要とされている子育ての支援を行うなど、園に通っていない子どもの家庭も子育て相談や親子の交流の場として利用できる施設である。

いわば幼稚園と保育所の両方の良さを併せ持っている施設です。

  • 保護者の就労の有無にかかわらず施設の利用が可能。
  • 集団活動・異年齢交流に大切な子ども集団を保ち、すこやかな育ちを支援。
  • 待機児童を解消するため、既存の幼稚園などを活用。
  • 育児不安の大きい専業主婦家庭への支援を含む地域子育て支援が充実。
内閣府HPより引用

 

認定こども園の種類

以下の4つの種類に分類されます。今回問題となったのは、幼保連携型です。

  • 幼保連携型
    幼稚園的機能と保育所的機能の両方の機能をあわせ持つ単一の施設として、認定こども園としての機能を果たすタイプ。

  • 幼稚園型
    認可幼稚園が、保育が必要な子どものための保育時間を確保するなど、保育所的な機能を備えて認定こども園としての機能を果たすタイプ

  • 保育所型
    認可保育所が、保育が必要な子ども以外の子どもも受け入れるなど、幼稚園的な機能を備えることで認定こども園としての機能を果たすタイプ

  • 地方裁量型
    幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が、認定こども園として必要な機能を果たすタイプ

内閣府HPより引用

 

保育教諭の資格

今回問題となった、認定こども園は、幼保連携型です。そこには、保育教諭の配置が必要となり、保育教諭になるには幼稚園の免許と保育士の資格が必要なんですね。他の認定こども園よりも厳しくなっています。

それだけ、保育教諭の仕事は幅広い知識を必要とし、より多くの業務に関わることになるため、大変な部分も多いでしょう。しかし、その分やりがいが多く自分の成長につながる仕事だといえます。


  • <幼保連携型>
  • ・保育教諭を配置。保育教諭は、幼稚園教諭の免許状と保育士資格を併有。 ただし、施行(平成27年4月から)から5年間は一定の経過措置あり。

  • <その他の認定こども園>
    ・満3歳以上:幼稚園教諭と保育士資格の両免許・資格の併有が望ましい。
    ・満3歳未満:保育士資格が必要
内閣府HPより引用

 


認定こども園が発足した経緯

従来、我が国の就学前の子どもに対する教育・保育については、皆さん、ご存知のように幼稚園と保育所の2つが担っていました。
幼稚園:
満3歳からの子どもを対象に1日4時間を標準とした教育を行う学校


保育所:
保護者の就労等の事情により保育を必要とする0歳からの子どもを対象に1日原則8時間の保育を行う児童福祉施設

幼稚園と保育所は、その目的及び役割を異にしており、それぞれの社会的ニーズに応えて発展してきたものであるが、近年の社会構造・就業構造等の著しい変化を背景として就学前の子どもに関する教育・保育のニーズが多様化してきたため、従来の枠組みを超えた柔軟な対応が必要とされてきた。

そこで幼稚園と保育所の両方の役割を果たすことができる新しい形態の施設として、平成 18 年(2006年)に「認定こども園法」が制定され、認定こども園制度がはじまった。
内閣府HPより引用

 

園児に対する思い

報道では、不適切な指導と表現されてましたが、認定こども園では、指導計画を作成するようです。

平成28年12月に行われた「幼保連携型認定こども園教育・保育要領の改訂に関する検討会」において「幼保連携型認定こども園」に対する配慮すべき事項として「在園期間や時間等が異なる多様な園児がいることへの配慮」がありました。

そして、異なる背景を持つ園児同士が共に生活する中で、 自己を発揮しながら互いに刺激し合い育ち合っていく環境にある。その特性を生かすために、作成する指導計画においては次のような事が書かれていました。
あえて全文を載せてあります。

(指導計画作成)

〇 指導計画の作成においては、一日の生活を見通して作成する必要がある。その際、一日の様々な時間を担当する保育教諭等が話し合い、協力して作成することが望ましく、その過程で、園児の理解を深め、教育及び保育の方向性を共有することが重要である。

〇 多様な生活経験や興味を持つ園児が集うことで、遊び方の違いから遊びが混じり合い、面白い遊びが生まれる。また、魅力的な遊びは、園児の興味を引き、つながりをつくる。園児自らが「面白そう」「やってみたい」と思える遊びに取り組むなど、園生活の主体として実感を持てるよう、保育教諭等が意図的、計画的に豊かな環境を構成することが望ましい

満3歳未満の園児に関しては、情緒の安定や身近な大人との情緒的な絆を深めることが極めて重要であることを明記する。

〇 3歳児以降でも個別の配慮を豊かにしていくことが、多様性の中では大事である。3歳児以上の教育及び保育においても、園児一人一人についての個別の理解と配慮が必要であり、指導計画にも反映させることが望ましい。

〇 一時預かり事業などの活動と長時間在園する園児の教育及び保育とを合同で行う場合、それぞれの生活を前提とした配慮事項をもち、それらを踏まえた上での計画を立てる必要がある。

内閣府HPにある検討会資料より引用

 

最後に

今回の事件では、2歳児に対する指導内容が問題となっていましたが、とても上記の主旨に沿った内容とは思えません。どのような資格と経験(問題の保育教諭は30代ということでそれなりの経験もあったと思われます)を有していたか分かりませんが、いい加減な指導であったと推察されます。

7月30日には、山口県にある認可保育園で、複数の保育士が、体罰をしていた疑いがあるとの報道もありました。園児の証言から、グーパンチもあったというから驚きです。

新人の保育士がやる行為とは思えないので、それなりの経験がある方なのかと想像します。こういう人たちも働き始めた頃は、可愛い子どもたちに囲まれて楽しく、夢を持って働いていたのではないかと思います。それなのに…何故、人を傷つける側に行ってしまったのでしょう。

悲しい現実です。学校でのイジメ、高齢者施設での暴力、そして今回の事件…いずれも弱い者に対する卑劣な行為でしかありません。こういう人たちはほんの一部だと思いますが、周りの誰が気付いて直してあげられる世の中になってほしいと思います。


以上、ご覧いただき、ありがとうこざいます。
ヨッチでした。