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こんにちは。ヨッチです。

2019年6月27日、中国広東省3歳の時に誘拐された男性が、19年ぶりに両親と涙の再会を果たした。両親はほぼ全ての財産を費やして捜してきたが、最後は警察が企業と連携してAI(人工知能)を駆使して見つけ出したとCNSが報道した。

※CNSは1952年に設立された中華人民共和国の国営通信社

中国では、毎年、数百万人の行方不明者が発生するとされている。警察はその地域で同じ年齢帯の人々を調査対象とする。その数は数十万人規模だ。さらに調査範囲を他省まで広げた場合、対象者は数千万人にまで膨れ上がる。搜索に途方もない人力が必要となり、警察としてもお手上げとなることが少なくないらしい。

AI(人口知能)を使って見つけ出すとは一体どういうことなのか、調べてみたのでご紹介したい。




 

事例①

  • 誘拐事件が起きたのは2000年12月。深圳市で徐さん夫婦の当時3歳だった息子が誘拐され、20万元(現在のレートで約310万円)の身代金が要求。警察が捜査を開始すると、息子も誘拐犯もこつぜんと姿を消した。
     
  • その後19年間にわたり、徐さん夫婦は息子を捜す旅に出た。夫婦は息子の写真を持参し、人の集まる場所に行っては「腕にあざのある子どもを見たことがないか」と聞いて回った。
  • 徐さん夫婦は所有する2件の不動産を売却し、ほとんどの貯金を使い果たした。数年前には、テレビ番組で行方不明の子どもを捜すホームページがあると聞き、すぐに登録。警察にはDNA鑑定用の血液サンプルを夫婦で提供した。インターネットでもメッセージを発信し続けた。
  • 深圳市羅湖分局も長年、捜査を続けてきた。画像制作の専門家に依頼し、息子が成長した年齢に合わせた顔の画像を作る取り組みもした。
  • 今年に入り、警察はIT大手会社の騰訊(テンセント)と協力し、同社のAI技術を使い、「夜明けの光」と名付けた誘拐問題解決プロジェクトを実施した。半年間にわたり、広東省内の6都市で100以上の情報を一つずつ分析。その結果、恵州市で息子の条件とほぼ一致する男性を発見。DNA鑑定を経て、誘拐された息子であることが確認された。

なぜ3歳という赤ん坊が誘拐されたのか、その状況は理解出来ないところがありますが、その後、19年間も探し続ける夫婦の執念はものすごいですね。ほとんど資産を売って探すのですから。その執念があったからこそ、当時の技術では不可能であったけど、最新の技術を使える機会に巡り合ったのだと思います。時間が立つということは、得られる情報も限られてくることにつながりますが、一方で新しい技術の発達によって情報の処理の仕方が変わってくるということになります。まさに技術の進歩が人の役に立った良い例となりました。



外部リンク(引用元)



IT会社 テンセントとは

IT大手会社の騰訊(テンセント、Tencentという会社は、中国の番組「私を待っていて」で、警察と協力して行方不明の子供を捜査している。
テンセントは持ち前の顔認証技術を駆使し、13歳の子供を発見する捜査に合流。子供が誘拐されたのは10年前で、当時の年齢は3歳だった。テンセントの顔認証システムは幼い頃に残された画像1枚から、成長した人物と推定される5人の候補を選出し、最終的にDNA検査を行うことで、行方不明の子供本人を見つけることに成功した。
テンセントの顔認証技術の精度は99.99%で、数秒で数千万人の顔を照合することができると説明されている。また失踪者や行方不明者の顔の変化を予測する技術も持ち合わせている
日本の関連技術開発者によると、
「顔の特徴はある時期を境に変わらなくなる。現行のトップクラスの技術を持ってさえすれば、化粧をしていたり、整形をしていたり、また顔の一部が隠れた状況でも同一人物を特定することができるでしょう」
 
テンセントは福建省の地域警察などにも協力。これまで1091人の行方不明者を探し出したという。また2018年10月時点での統計になるが、テンセントの失踪調査アプリは約600人の行方不明者を見つけることにも寄与したとされている。
 
「AIが社会監視に用いられている」と、日本を含む欧米社会からバッシングを受けている中国。とはいえ、顔データや監視カメラなどが連動していなければ、今回のような行方不明者の発見も実質的に不可能だったに違いない。現在、行方不明者を探す技術は、インテルやTikTokの運営企業バイトダンスなどでも開発が進められている。


技術の進歩は人のためでなければならない。テンセントの顔認証システムはAI技術を適用させることで、10年前の人間の顔写真から、その後に変化した顔を見分けることができます。社会監視と言われようが、最新の技術が人探しに役に立つのであれば、それ自体は決して悪いことだとは思いません。何事も使い方です。正しく使えば、技術は必ず人の役に立ちます。人間は必ず、正しく使う方法を見つけ出せると信じています。これまでもそうやって新しい技術を生活の役に立てて、人生を豊かなものにしてきたと思います。


外部リンク(引用元)



 


事例②

  • 騰訊(テンセント)が実施した経年変化に対応した顔認証技術による絞り込みに基づき、警察がDNAによる親子鑑定を行った結果、約10年前に行方不明となっていた4人の子供を探し出した。これは中国国内で初めてのことであり、しかも今回の行方不明者捜索にAIを使った点は、極めて特殊である。
  • 行方不明となった子供を探す両親から寄せられた子供の写真は、どの写真も少しでも汚れたりしてしまわないように1枚ずつぶ厚い油紙に幾重にも包まれていた。行方不明の子供たちはそのほとんどが3歳以下で、生まれてから撮影された写真が1枚しかないという子供や、生後満1ヶ月の時の写真だけという子供もいた。
  • これらの写真に写っている子供たちは全員、四川省公安庁誘拐対策処の未解決事件と関係があった。2008年から2010年にかけて、3歳前後の子供10人が、四川省で連続して誘拐されるという事件が起こったためだ。訪問調査やモンタージュ写真の公開、ネットワーク公告など試せることは全て試してみたが、事件発生から時間が経ちすぎており、事件は迷宮入りになるかと思われていた。
  • 2017年12月に転機が訪れた。公安部刑偵局の陳士渠・副局長が調査のためテンセントを訪れた際に、優図実験室の経年変化に対応した顔認証技術のことを知り、この技術に関する情報を四川警察に伝えたのだ。
  • 経年変化に対応した顔認証技術は、0歳から18歳までの子供の顔の成長・変化に対するモデリング・シミュレーションを行い、学習可能な顔のサンプルを大量に生成した。その後、ディープニューラルネットワークのアルゴリズム用いて、これらの人の顔に成長過程で生じる複雑な変化を学習させた。
  • まさに「努力は決して人を裏切らない」という言葉があるように、約半年間に及ぶ努力と夜を徹した作業を繰り返したことで、「DDL(データ駆動型学習)」と呼ばれるアルゴリズムによる経年変化に対応した顔認識の精確率は96%以上に達した。
     
  • 間もなく、警察に提供された膨大な量のデータに対する第1回のマッチイングを実施し、警察は行方不明の子供たちそれぞれに最も似ていた順位トップ5人まで絞り、警察はDNA鑑定を経て、この第1回のマッチイングで誘拐された4人の子供の所在を突き止めることに成功した。
  • この技術を用いてさらに3人の子供が見つかり、当時四川省で相次ぎ連れ去られた10人の子供のうち、現在まですでに7人が見つかっている。誘拐された子供の多くが無事見つかったことは、誘拐されて長年が経過した子供を探す上でAIが重要な役割を担うことができる事実を裏づけている。経年変化に対応した顔認証技術は、DNA鑑定に続き、公安機関が誘拐された子供を捜索する上で、極めて有効な方法を提供するものになっている。

この成功は、経年劣化に対応した顔認証システムの開発に尽きますね。昔では迷宮入りだったことでも、このような技術で解決出来て、人を助けられるのであれば、適用する価値は必ずあると思います。今の世の中、事件が起こってから解決に向けて動き出すことが多く、人が不幸にならないように、事件を未然に防ぐことに対しては、遅れていると思います。最近の痛ましく、理不尽な事件を見ると、監視社会だとか、プライバシーの問題だとか言われますが、もっと防犯、事件を起こさせないことに力を入れる必要を感じます。何の非もない人たちの命を奪う権利は誰にもありません。今回ご紹介したような最新の技術を、日本でも犯罪防止に役に立てるように考えてもらいたいと願っています。


外部リンク(引用元)



日本の技術は?

日本でもディープラーニング技術を使ったAI技術が顔認証システムの分野で適用されています。しかも経年劣化にも対応出来るようです。

これからは、是非、行政に動いてもらい、防犯技術としての適用を考えてもらいたいと思います。自分の身は自分で守るという点では、民間レベルでも適用を考えていく必要があると思いますが、先に発生した京都アニメーションの放火事件のような犯罪を未然に防ぐには民間だけでは限界があります。国、行政が市民の安全、安心な生活を守る、この一点で、最新の技術の適用を進めてもらいたいと思います。


パナソニックのホームページに顔認証システムについて記載されていますので参考にしてください。

セキュリティ分野の顔認証においては良好な撮影条件は少なく、技術的に認証が困難なケースが多い。パナソニックは、ディープラーニング技術を応用した顔認証エンジンで、顔の特徴を抽出することで認証率を大幅に向上。サングラスやマスクで顔の一部が隠れている場合や、45°横向きの顔、10年くらい前の顔画像との照合(経年変化)など、これまでは照合、認証できなかったものを可能にした。

 
外部リンク(引用元)

*ディープラーニング(深層学習)とは、人間が自然に行うタスクをコンピュータに学習させる機械学習の手法のひとつ。AI(人工知能)の急速な発展を支える技術であり、その進歩により様々な分野への実用化が進んでいる。

 


以上、ご覧いただき、ありがとうこざいます。
ヨッチでした。