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こんにちは。ヨッチです。


シンガポールのリー・シェンロン首相は8月18日、同国は今後徐々に定年の年齢を引き上げ、最終的に65歳にするとの方針を明らかにしました。

現在62歳の定年は、2022年に63歳となり、2030年までに65歳となるという。

日本の企業は、60歳定年が多いので、日本より進んでいるようです。その背景について調べてみました。





 

シンガポールの平均寿命と健康寿命

シンガポールの首相は、「実際、大半の高齢者が退職を望んでいない。われわれはより長く健康で、長生きになっているが、老後の長期化は望んでいない。また、われわれの多くは最終的な引退に備えてより多くの貯蓄をしたいと考えている」と述べています。


またシンガポールは、再雇用の年齢を現在の67歳から2030年までに70歳に引き上げる方針。現行法では、国内企業は対象従業員に67歳まで就業継続の選択肢を提供することが義務付けられています。


シンガポールは、国民の長寿命化を懸念してすでに定年は62歳になっており、日本と同じように、再雇用もMax 5年あるようです。

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シンガポールの2017年の平均寿命を性別で見ると、

女性   87.55歳(世界1位)
男性   81.94歳(世界2位)

シンガポールの健康寿命は、

女性   75.81歳(世界1位)
男性   72.58歳(世界1位)


日本も長寿国ですが、平均寿命、健康寿命ともシンガポールの方が上回っています。こういう状況では、シンガポールの首相が言うように、より長く働いて老後に備えたいと思うのは自然な流れなのでしょう。


 


海外の定年制度

シンガポール以外の国はどうなっているのでしょうか。

海外では、定年制度のない国があるようです。アメリカは、使用者は年齢を理由に差別することを禁止しているため、60歳になったら会社を辞めてもらうような契約はできないそうです。そしてリタイア年齢は個人の都合で決めることができるというから驚きです。平均リタイア年齢は2014年では62歳だそうです。

定年制度のない国
アメリカ
イギリス
カナダ
オーストラリア

国名定年制度注釈
アメリカ定年制無し航空管制官や外交官など特定職種で定めあり
イギリス定年制無し2010年4月から定年制は廃止
ドイツ65歳2012年から2029年にかけて段階的に67歳に引き上げ
フランス65歳2016年から2023年にかけて段階的に67歳に引き上げ
日本60歳2013年から希望者全員の65歳までの継続雇用制度の導入が義務化
韓国60歳一般的に45歳/53歳定年だったが、2016年以降60歳定年制が義務化
中国男性60歳
女性55歳
男女で定年年齢は異なる
インドネシア56歳2016年から56歳に引き上げ
タイ60歳2017年から60歳に引き上げ(以前は55歳が一般的)
マレーシア60歳一般的に55歳定年だったが、2013年7月に60歳定年制が義務化
シンガポール62歳希望者は65歳まで再雇用
フィリピン65歳法的には65歳だが、60歳で希望があれば定年退職とすることは可能

出典元:https://www.google.co.jp/amp/s/mynavi-ms.jp/magazine/amp/detail/000380.html

ドイツやフランスでは、すでに65歳の定年になっています。年金支給が始まるタイミングと定年年齢を合わせるスタイルがとられているようです。しかも65歳から67歳への定年引き上げを段階的に決めています。老後資金の不足を騒いでいる日本はだいぶ遅れている感がありますね。


 


日本の定年延長は問題を解決するのか?

厚労省の「平成29年就労条件総合調査 結果の概況」によると、現在の定年年齢は60歳に設定する企業が約79%ともっとも多く、次いで65歳が約16%です。


政府は国家公務員の定年の引き上げを検討しており、現在の60歳から段階的に65歳まで延長する方針のようです。


また政府は社会保障制度改革の一環として「生涯現役社会」を掲げ、高齢でも意欲さえあれば働ける社会にすることを狙っています。そのため、まず国家公務員の定年を延長し、民間にも広げる作戦です。


寿命が延びてる分、働かないと生活出来ないので、政府が考えている方向は、間違いではないように思います。でも定年延長に合わせて、年金の支給開始年齢も現在の上限70歳から更に75歳に引き上げることも検討しているようです。


この辺りは、自身が健康で、働く意欲があればいいですが、そうでもないという人にとっては、年金の支給開始年齢も選択出来るようにしてもらいたいですね。


また定年延長によって、今の再雇用での賃金問題(現役より給与がだいぶ下がる)が解決してほしいと思うのと、完全にリタイアした時に、支給される年金だけで普通の生活が出来るようにしてもらいたいということです。


さらに言えば、年金支給額が足りないのであれば、定年延長(再雇用でもいいが)は年金支給開始時期よりも長く設定され、かつ、働いてお金をもらっても年金の支給額が減らされることのないようにしてもらいたい。働く意欲がなくならないような仕組みを考えてもらいたいと思います。


 



定年後の賃金

日本国内の民間企業で定年以降の働く人の賃金水準はどうでしょうか。


労働政策研究・研修機構が15年に約6200社に聞いたところ、60歳直前(定年前)の賃金を100とした際の61歳時点の賃金は、1000人以上の大企業で「6割未満」が25.8%を占めました。


新聞社が実施した「社長100人アンケート」でも雇用延長した場合の賃金水準は、定年前の賃金に比べて「7割」と「5割」がともに最多の18.6%だったそうです。


日本政府がいま検討している国家公務員の定年延長では、60~65歳の賃金を退職直前の7割にする方針です。


いずれにしろ、今の再雇用よりも定年延長によって給与が改善されることを期待したいところですが、定年前の収入を維持することは難しいようですね。あとは、年金の支給額に期待するしかありません。支給開始時期を遅らせば、年金額は上がりますが、遅らす分、収入がなくなるわけで、働く機会をいかに確保出来るかが課題と言えそうです。


そのためにも、長く健康でいられることが求められる時代になってきました。


外部リンク

 


以上、ご覧いただき、ありがとうこざいます。
ヨッチでした。