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こんにちは。ヨッチです。 


設備の信頼性を維持するためのメンテナンス作業には、さまざまな危険がある。その危険な状態を排除するために、必要なアクションがあり、その結果をもって安全な状態、信頼性のある状態を作っている。今回は、その実態とその背景、そしてどう取り組むべきかを考えてみたいと思います。






作業現場の危険

設備を安全にかつ安定的に運転するために、必要なタイミングで適切なメンテナンスを行い、設備の信頼性を維持し、運転中の不具合を最小限に留める必要がある。

そのために設備を停止してメンテナンスを行うことになるが、そこには様々な危険が潜んでいる。


例えば、設備の中に入って作業することを入槽作業というが、その設備の中の状態が安全であることが入槽の条件である。そしてその責任は、入槽の許可を出す側にある。


ちなみに、入槽には、どんな危険があるかというと、内部の酸素濃度の不足、毒性ガスの存在、可燃性ガスの存在などである。


状況によっては、死に至る危険がある。したがって許可を出す側の責任は重大である。


また入槽でない作業にあっても、危険は存在する。墜落、転落、転倒、回転体への巻き込まれ、落下物による被災などである。


このような危険が存在するが、必要な安全対策、適切な作業手順を定めた上で、現場での安全な状態が確認された後の作業着手でなければならない。

 


危険の背景

ところが、この許可を出すまでのプロセスが破綻する、すなわち安全を脅かすような状態が発生するリスクが高まっている。


基本的には、過去の事故や経験、さらに技術的な進歩とともに、作業の手順、方法、安全対策のやり方も改善され、あるいは進歩してきているが、それを管理する人間がしっかりやることをやらなければ、安全は担保されず、危険な状態を生み出す。


この人間も、今までであれば、それなりに技術やノウハウが伝承され、当たり前のように、安全が担保されてきたが、最近は少し事情が違ってきている。人間が進歩しているかというと必ずしもそうではないのである。


それには世間一般に言われているように、さまざまな背景があり、それらが複合的に関連し、管理レベルの低下を招いている。


1️⃣  大量のベテラン社員が定年退職を迎えている。50代が多い会社は、技術やノウハウを持ったベテラン社員の退職は死活問題である。慌てて新入社員や中途採用を増やしても戦力化には少なくとも数年単位での時間がかかってしまう。


2️⃣  人手不足により十分な人数が確保されない。ベテラン社員が再雇用で残るものの、引き継ぐ人材がいないため、現役と同じ仕事をする場合も多くなっている。負担の大きさや親の介護などの理由で最長5年の再雇用を経ずに辞めていく者も増えている。


3️⃣  設備の老朽化に伴い、多くの補修作業が発生している。過去より設備の寿命管理をしながら、必要な設備投資は行っている。システムの進歩に伴い、効率的な管理に移行しているはずであるが、設備の殆どが補修や更新のタイミングを迎えており、検査すべき対象が膨大に増えつつある。そのための検査、寿命評価、補修の判断、予算化、実行といった一連の作業があるが、それらのスケジュール管理が限られた人材の中で十分に出来ている状況にはない。


4️⃣  社会に対する責任、競争環境の激しさから、高度な管理レベルが求められている。特に危険物や毒性ガスを扱う設備は、不具合を起こすと自社のみならず、周辺の住民や企業に多大な影響を与える。一方で収益の向上を求められる中では、前述の不具合を起こさないように、適切な時期に適切な費用で設備のメンテナンスを行うことが必要であり、より精度の高い管理が求められているが、必ずしも出来ているとは言えない。

IOTやらAI などと言った先端技術は、特定の分野、一部の設備管理においては実行されつつあるが、設備は全体を管理出来て、安全安定の稼働が成り立つものである。


5️⃣  働き方改革により、時間外の管理が厳しくなり、一部の人たちによる対応が出来なくなり、ほかの人たちも巻き込んで対応する必要がある。要は、技術を有する人材の確保が必要になってくる。だから頭数がいればいいというものではない。そこが難しいところだ。

教育も必要であるが、経験が追いつかないことから、管理する人間の技量や意識レベルが低下している。危険に対する感覚が鈍くなっている。すなわち、想像力が欠如しているのである。


 


どうしたらいいのか?

ではどうしたらいいのか。以下の3点にまとめた。

1️⃣  技術、ノウハウの分かるベテラン社員を定年で辞めさせることなく、正規の社員として、残すことである。給料は当然、モチベーションを維持してもらうために、減額なんかすべきではない。むしろ給料をさらに上げて頑張ってもらう。ベテラン社員は技術伝承なんてしなくていい。若手はそれを目指して、頑張って技術、ノウハウをベテラン社員から盗んでもらう。そのモチベーションはベテランの給料の高さだ。給料に格差を付け、上を目指す若手同士の競争環境を作ることだ。

一方で人手不足のせいにして、管理出来ないとか、安全確認が出来ないとか、言っているうちは、何を手当てしてもダメだ。責任を持とうとしない人に任せるべきではない。作業の目的が分かっている人間にやらせるべきだ。


2️⃣  もう一つは、覚悟を持って若手に任せること。細かいことに口を出さない。少々の事には目をつぶるくらいの覚悟が必要。あまり細かく指示すると、相手は自分で考えなくなる。経験をさせなければ、人なんて育たない。自分で決めさせる事で、失敗しても、成功しても、自身の力になるはず。その代わり、取り返しがつかないような、大きな失敗はさせてはいけない。つまり、人の命に関わるような事故や災害は起こさないように見ておく必要がある。


3️⃣  技術伝承をしなくていいと言ったが、もしするならば、マンツーマンで常に時間を共にし、徹底的に鍛え上げることだ。師匠と弟子の関係を作り、手取り足取り、すべてを教え込むことだ。そして互いに熱意がなければ、技術なんて伝わらない。身に付かないならば時間の無駄だ。

今は何でもかんでもお膳立てをして、若手教育に力を注いでいる。つまり急務であることから、何とか早めに一人前にしたいという気持ちの表れでもある。だから出来ることはやってあげようのスタンスになっている。でもそのように上司やベテラン社員が心配している一方で、その危機感は若手には全く伝わっていない。それで上手くいっているならいいが、技術伝承なんてちっとも出来てないのが実態ではないか。ならば、マトを絞って徹底的に対応すべきだ。手を広げても出来ないことに気が付いているはず。


まとめ
  • 技術伝承はしないでベテラン社員に頑張ってもらい、給料の増額で評価する(若手が羨むレベルにすることで若手同士の競争環境を作る)
  • 覚悟を持って若手に仕事を任せること(細かい事には目をつぶる)
  • 技術伝承するなら、マンツーマンで徹底的に教え込む(中途半端な技術伝承は時間の無駄)

 


 
 


以上、ご覧いただき、ありがとうこざいます。
ヨッチでした。