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こんにちは。ヨッチです。


年金の減額基準を巡っては、在職老齢年金が高齢者の就業意欲を阻害しているとの指摘を踏まえ、厚生労働省は、10月に現行の月47万円から月62万円への引き上げを提示した。


そして11月13日より社会保障審議会(厚労相の諮問機関)での審議が始まったが、金持ち優遇の意見が根強く、月51万円まで下げたが、それでも反対意見が収まらなかったとの事。


そして政府・与党は25日、働いて一定の収入がある高齢者の年金を減らす「在職老齢年金制度」について

減額対象となるのは、
65歳以上:月収の基準を「47万円超」

つまり、62万円 → 51万円 →47万円(現状維持)

に据え置く方針を固めたとの報道があった。


あれだけ、高齢者の就労促進と言いながら、現状維持では何のために議論していたのか。賢い役人が提案した内容を政治家の反対で振り出しに戻した格好だ。



そもそも、総務省の2017年家計調査で、65歳から夫婦2人(夫65歳以上、妻60歳以上、無職世帯)の毎月の平均的な実支出が月26.4万円なのに対し、受け取る公的年金は19.1万円で、そのほかの項目をあわせても実収入は20.9万円。


月約5万円という不足額は、これらの差し引きによりすでに明らかになっていたもので、「30年で約2000万円」となる。

5.5万円×12ヶ月×30年=1980万円
(計算すると、不足分は5.5万円)


ということは、この不足分の2000万円をどうやって稼ぎ出すかということだ。高齢者は働けるうちに稼ぎ出さなければならない。

 


仮に、
実収入が公的年金(19万円)を含めて
62万円だとしよう。


年金減額基準が47万円の場合、
62万円−47万円=15万が超過分となり、
この半分の7.5万円が公的年金から差し引かれるため、年金は19万円−7.5万円=11.5万円に減額される。

つまり、
実収入は、62万円−7.5万円=54.5万円となる。

それに対して、
年金減額基準が62万円の場合、
実収入は、62万円のままだ。
この差は、7.5万円だ。


この2つケースで2000万円を貯めるまでに要する期間の違いは、月7.5万円の差があるということだ。


つまり、

実収入が54.5万円の場合、
(実収入)54.5−(支出分)26=28.5万円(余裕分)

実収入が62万円の場合、
(実収入)62−(支出分)26=36万円(余裕分)


この余裕分を貯蓄するとして、
2000万円を貯めるまでの期間は、

2000/(28.5×12)=5.9年
2000/(36×12)=4.6年


その差は、1.3年となる(=5.9−4.6)


高齢者にとって、この1.3年は決して短くはない。
余分に働かなければならないのだ。




65歳にして、実収入62万円が得られる人は少ないかもしれない。年金19万円を差し引くと月43万円を年金以外で収入を得る必要がある。


確かに、現役の会社員だって月43万円の実収入は年収500万円以上に相当し、65歳でもらえるかどうか簡単ではない。


でも定年が65歳に延長される企業がもっと増え、そのうち、70歳まで再雇用のケースも多くなってくるはずだ。そうなると、普通にそのくらいの収入を得る人も増えてくる。


と同時に、年金の支給額も減り、支給開始時期も延長される方向になる。そうなるならば、年金減額基準など廃止し、高齢者にたくさん働いてもらい、たくさんの価値を生み出してもらい、たくさんの収入を得て、税金もいっぱい払ってもらう方向に行く着くのではないのか。


今回、お金持ち優遇の反対意見を持つ政治家たちを覆すことが出来なかったことだが、収入が多い人は、すでに累進課税で十分、回収しているのではないのか。


そもそも、議員定数の削減や退職金の削減など、自分たちの腹を切ることが出来ない人たちに、お金持ち優遇とか言われてもどうかなと思ってしまう。


幸い、今回の審議で、60~64歳は現行の28万円超から47万円超に引き上げることになりそうだが、そもそも、より働ける世代である60〜64歳が65歳以上よりも減額基準の上限が低かったこと自体、働く意欲を削ぐ以外の何ものでもない。 


さらに、今回の年金減額基準に限らず、改正してもらいたいのは、高齢者でもがんばろうと思える仕組みだ。例えば、iDeCoの加入年齢制限の緩和(65歳への緩和も議論されるようだが、撤廃すればいい)など。


とにかく若い人、高齢者問わず、世の中の不安を解消し、将来にわたり、希望の持てる社会になってほしいと思う。
 
 
 


以上、ご覧いただき、ありがとうこざいます。
ヨッチでした。