FullSizeRender

こんにちは。ヨッチです。


社外取締役などを通じて現場のリーダーやガバナンス(企業統治)を長く見てきた早稲田大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)の川本裕子教授がこう話している。



「時代は変化しますが、組織は人でできているという点は不変です。一人ひとりが持てる力を十分に発揮できる組織が最強です。さらにいえば、組織のメンバー各自がその会社のオーナーだと思うほど、ありったけの知恵とエネルギーを出し切り、頑張れる。そういう組織が強いのだと思います」という。



この点について皆さんとシェアしたい。




組織の問題

川本教授によると、現場のリーダーである中間管理職に関して次のような問題を指摘している。

  • 組織での仕事の満足度についての国際的な比較調査では、日本の結果は非常に低い。満足度が低く、組織がうまく動かない理由のひとつが、中間管理職である。
  • 中間管理職がチャレンジ精神に満ちていればいいが、保守的で動きが鈍い『粘土層』だとなかなか組織が動かない。
  • つまり、一人ひとりが力を発揮できる組織にするためには、変化を好まない粘土層を動かすだけのメッセージや環境をつくれるリーダーの存在が非常に大事。
  • 粘土層の人たちはリーダーが呼びかけてもなかなか動かない。それは、彼らが既得権益層となっているから。
  • 今までの組織の仕組みや働き方のほうが自分たちに都合がいいなら、わざわざ新しいことをしない中間管理職の価値観を前向きに改めることが、若手も含めた一人ひとりが持てる力を発揮できる組織を実現するうえでカギとなる。
🍀🍀🍀

担当者に近い位置にいるのが中間管理職であり、課長クラスがそれに当たる。課長は上司と部下の間に立ち、部下を動かすために大きな役割を担っている。筆者の経験で言えば、課長は実に多くの仕事を抱えている。係長を上手く使い、さらにその配下の担当者を管理しなければ、組織としてのパフォーマンスは発揮されない。


特に大事なのは、職場内の風通しである。困ったことや問題が発生したら、担当者は係長、課長へ報告する。極当たり前の事が出来ていないことで、問題は重症化することが実に多い。


こういう傾向があったときに、課長はどう組織を変えていくのか?課長は部下たちに仕事をただ指示すれば良いのではない。部下たちを思うように動かすには課長自らが部下たちの仕事ぶりに関与していく必要がある。部下たちが問題を抱えず、速やかに上司へ報告する、あるいは相談する。自分の上司は、常にそういう職場を目指していることを部下たちが感じとるまで、課長は部下たちに関与していくことが大事だ。

 

リーダーに求められる4つの条件

また川本教授は、『この人のいうことは正しいから、ついて行こう』と思わせる何かがある人がリーダーであると言い、次の4つの条件を上げている。

1️⃣  ビジョン

フォーサイト(先見性)とインサイト(洞察力)が豊かな人です。人より先が見えて、広く見えて、深く見える。

2️⃣  動じない平常心

危機にあって、たじろがず、瞬発力と判断力がある。そういう人には存在感がある。

3️⃣  共感力

チャーミングでユーモア精神が旺盛で、人を説得して動かせる人。


4️⃣  エシカルethical:倫理的)とかインテグリティーIntegrity:正直さ)という言葉で表現されるような倫理的で高潔な人

会社の存在意義とか職業の意味目的を常に確認して考えている人。


🍀🍀🍀

リーダーになるには、上記にあるような資質が求められるようだが、実際には得手不得手があり、色んなタイプのリーダーがいる。そんな中でも大事だと思うのが「共感力」ではないだろうか。


リーダーは部下たちを動かし、組織としてのパフォーマンスを発揮しなければならない。部下たちを上手く使いこなすには、部下たちの気持ちまで動かす必要がある。


簡単に言うと、リーダーと同じ気持ちになって動くことが出来る部下をいかに増やすことが出来るかにかかっている。それが共感力であり、リーダーに求められる技量だと思う。

 

リーダーの役割

経営者とも接する機会の多い川本教授が、リーダーの役割についてこう語っている。


どんなリーダーを求めているのか?

  • 一人ひとりの能力を発揮させる
  • 組織を盛り上げ、最後に責任は自分がとる』『現場で一人にしない』『わくわくさせる』
  • 『エンパワー(後押し)する人』
  • 社員を動かすには、ガバナンス(統治)よりエンパワーすることが大事。

リーダーに意識してほしいところは?

  • リーダーの真価は、必ずしも現時点の業績だけではない。たとえ最高益を達成したとしても、組織にあまり良くないカルチャーを残してしまうこともある。反対に、厳しい環境の下、すぐには利益が出ないが将来に残る大事な事業を育てるリーダーもいる。
  • 組織は一気に変わることもあるが、たいていは価値観が変わり、一人ひとりの行動が変わっていくには時間がかかる。リーダーの真価は歴史が後で評価するということを忘れないほうがいい。
  • 企業のリーダーには『ラグビー日本代表のような会社をつくりたくないですか』と問いかけたい。「ラグビー日本代表は、まさにダイバーシティを体現したチーム力で、アイルランド、スコットランドという世界の強豪チームに勝った。ぜひ企業も、日本の職場の満足度は低いという事実に目を向けて、どうしたら一人ひとりの力が発揮できる組織になれるのかを考え抜いてほしい。

🍀🍀🍀

目先、足元の業績だけに捉われることなく、強固な基盤を築くことが大事。そのために、リーダーはどうすべきか、考え抜くことが出来る人でなければならないと言っている。

組織は、色んな人の集まりで成り立っている。技量も違えば、経験、知識も異なる。そういう人たちを一つの方向へ向けさせ、個々のチカラを結集させるにはどうしたら良いか。常に考えを巡らせ、チャレンジする。

目の前の仕事に忙殺され、後手後手になるような仕事のやり方は誰もが望んでいない。それは打破しなければならない。一人のチカラではとても出来ないが、その一人から変わっていかなければ、皆んなは変わらない。

リーダーにはその役割がある。中間管理職として、そのモチベーションを上げるには、何か必要なんだろう。報酬はもちろん大事な要素であるが、役割の責任に見合った権限も必要だろう。組織を変えるにはとても時間が掛かるものであり、中間管理職の上司の理解、協力が不可欠である。一緒になって頑張ってもらえると思えるような関係を築くことが大事だと感じている。



外部リンク(引用元)

 


以上、ご覧いただき、ありがとうこざいます。
ヨッチでした。